逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎は、胃の内容物が食道へ逆流することで、食道の粘膜に炎症が起こる病気です。
近年、生活習慣の変化や食生活の欧米化に伴い、患者数が増えているといわれています。胸のあたりが焼けるように感じる「胸やけ」や、酸っぱいものがこみ上げてくる「呑酸(どんさん)」が代表的な症状で、日常生活の質を大きく下げてしまうことがあります。
軽い症状でも慢性的に続くとつらく、放置すると食道の粘膜が傷つきやすくなるため、早めに理解し対策をとることが大切です。

逆流性食道炎の原因
逆流性食道炎は、胃酸そのものが悪いわけではなく、「胃酸が本来あるべき場所から外へ漏れ出すこと」が問題の本質です。
通常、食道と胃の境目には「下部食道括約筋」という筋肉があり、逆流を防ぐ役割を果たしています。しかし、この筋肉の働きが弱まると、胃酸が食道へ戻りやすくなります。
括約筋の働きが弱くなる背景には、いくつかの要因が考えられます。
- 加齢による筋力低下
- 肥満による腹圧の上昇
- 猫背や前かがみ姿勢の習慣
- 脂っこい食事やアルコール、カフェインの摂取
- 食後すぐに横になる習慣
また、胃酸の分泌が増えやすい生活環境も影響します。ストレスや睡眠不足が続くと自律神経が乱れ、胃の働きが過敏になり、逆流が起こりやすくなることがあります。さらに、食道自体の感受性が高く、少量の逆流でも強い不快感を感じるタイプの人もいます。
逆流性食道炎の症状
逆流性食道炎の症状は多様で、典型的な胸やけ以外にもさまざまな不調が現れることがあります。
胸やけ:胸の中央が熱くなる、焼けるような感覚
呑酸:酸っぱい液体が喉まで上がってくる
咳や喉の違和感:逆流した胃酸が喉を刺激することで起こる
声のかすれ:声帯に刺激が加わることで生じる
みぞおちの痛みや張り感
症状が軽い場合は「疲れているだけ」と見過ごされがちですが、慢性的に続くと食事が楽しめなくなったり、睡眠が妨げられたりと生活の質が低下します。
また、強い炎症が長期間続くと、食道の粘膜が変化する「バレット食道」と呼ばれる状態になることがあり、これは医療機関での継続的な観察が必要です。
逆流性食道炎の治療
治療は大きく分けて「生活習慣の改善」と「薬による治療」があります。まず取り組みやすいのは、日常生活の見直しです。
- 食後すぐに横にならない
- 腹圧を高める姿勢(猫背・前かがみ)を避ける
- 脂っこい食事、アルコール、チョコレート、コーヒーなどを控える
- 食事量を控えめにし、就寝の 2〜3 時間前には食事を終える
- 適度な運動で体重を調整する
これらの工夫だけでも症状が軽くなる人は多く、治療の基本となります。
薬による治療では、胃酸の分泌を抑える薬が一般的に用いられます。これにより食道への刺激が減り、炎症が改善しやすくなります。
また、胃の動きを整える薬が使われることもあります。薬の選択や使用期間は症状や体質によって異なるため、医療機関で相談しながら進めることが大切です。
逆流性食道炎は、適切な対策を続けることで多くの場合コントロールが可能です。
症状が続くときや生活に支障が出ているときは、早めに医療機関で相談することで、より快適な日常を取り戻しやすくなります。